処遇改善加算は、実績報告書を提出して終わりではありません

7月末で、処遇改善加算の実績報告書の提出が一段落しました。

介護でも障害福祉でも、ほっと一息ついている事業所様が多いのではないでしょうか。

私も毎年、この時期になると思うことがあります。

「もう少し早くご相談いただけたら。」

提出前になると、

「賃金改善額が加算額を満たしているか分かりません。」

「配分方法がこれでよいか確認してほしいです。」

「この支給方法で問題ありませんか。」

というご相談があります。

もちろん、ご相談いただけるのはありがたいことです。

ただ、その時点ではできることが限られます。

実績報告書は、一年間に実際に行った賃金改善の結果をまとめる書類だからです。


■計画書どおりにいかないのは、よくあること

処遇改善加算は、計画書どおりに配分していれば、基本的には問題になりません。

ただ、一年の間には、職員の入退職があります。

昇給や賞与の支給もあります。

サービス提供実績によって、実際に入ってくる加算額も変わります。

計画を立てたときの見込みと、実際の状況がずれてくることは、正直なところよくあります。

例えば、年度の途中で職員が退職して、計画していたとおりの配分ができなくなった。

こうしたことは、事業所の努力不足でも、ましてや不正でもありません。

問題は、そのズレにいつ気づき、どう記録しているかです。


■毎月確認しておけば、7月に慌てない

私がおすすめしているのは、毎月、加算額と実際に賃金改善した額を確認しておくことです。

少なくとも、

  • 毎月いくら入ったか
  • 今月いくら賃金改善したか
  • 累計ではいくらになっているか

この3つは追っておきたいところです。

そして、計画どおりにいかなかったときは、その理由もあわせて残しておくこと。

「〇月に職員が退職したため、翌月から配分方法を見直した」

「加算額が想定より増えたため、一時金で追加の賃金改善を行った」

このように、何が起きて、どう対応したかを、その都度メモしておくだけで構いません。

数字を毎月見て、経過を記録していれば、その時点で考えることができます。

実績報告書を作る7月になって、初めて考えることではありません。

そして、きちんと経過を追えていれば、多少の下振れがあっても、対応の選択肢はちゃんとあります。

一時金で追加の賃金改善を行う、実績報告書に事情を記載する、といった形です。

一番困るのは、何も記録がなく、「気づいたら賃金改善額が足りなかった」という状態で7月を迎えることです。


■その配分、説明できますか

もう一つ確認しておきたいのが、職員への配分です。

誰に、いくら、どのような形で支給しているのか。

なぜ、その配分にしているのか。

実績報告書には、賃金台帳や雇用契約書を添付するわけではありません。

それでも、実地指導などで賃金改善の内容や配分について確認されることはあります。

書類上の数字だけが合っていればよい、という話ではありません。

実際に賃金改善を行っていることはもちろん、その内容について、経過も含めて説明できるようにしておく必要があります。

毎月の加算額と賃金改善額を確認し、配分や変更の経緯についても記録を残しておけば、後から慌てて一年分を確認する必要もありません。


■提出直前に「足りない」と分かっても遅い

提出直前になって、

「賃金改善額が足りません。」

と分かっても、社労士が後から数字を合わせることはできません。

実際に支払っていないものを、支払ったことにするわけにもいきません。

実績報告書は、すでに行った賃金改善について報告するものです。

帳尻を合わせるための書類ではありません。

でも、経過をきちんと記録・把握していれば、7月になって慌てて帳尻を合わせようとする必要自体がなくなります。

実績報告書だけを社労士に頼むより、加算額と支給額にズレが出てきたときや、配分方法に迷ったときに相談してほしい。

私が処遇改善加算のご相談で一番お伝えしたいのは、そこです。


■来年の実績報告で慌てないために

7月末の実績報告は終わりました。

今年度の処遇改善加算は、すでに動いています。

今年の実績報告を作りながら、

「来年は慌てたくない。」

「毎月の管理方法を見直したい。」

「職員への配分がこれでよいのか確認したい。」

そう感じた事業所様は、今から見直しても遅くありません。

むしろ、次の実績報告まで時間がある今の方が、見直しやすい時期です。

計画書の作成、毎月の加算額・賃金改善額の確認、配分方法のご相談、実績報告書の作成まで。

介護でも障害福祉でも、処遇改善加算についてお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

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